手術前の歯科受診では、
義歯の状態を確認することがあります。
「ちゃんと使えていますか。」
「痛いところはありませんか。」
そんな話をします。
すると、
義歯が割れていたり、
外れやすくなっていたり、
長い間調整をしていなかったりすることがあります。
もちろん、
入院中に義歯が使えないと困ることがあります。
食事が始まったときに、
噛みにくくなるかもしれません。
食べられるものが変わるかもしれません。
食事に時間がかかるかもしれません。
でも、
私が気になるのは、
入院中だけではありません。
手術後、
少しずつ食事を再開していく。
退院に向けて体力を戻していく。
そして、
退院後も食事を続けていく。
そのとき、
義歯が使えることは、
食べることを支える助けになるかもしれません。
もちろん、
義歯があればすべて解決するわけではありません。
義歯がなくても食べられる方もいます。
義歯があっても食べにくい方もいます。
それでも、
義歯が合っているか。
痛みなく使えるか。
普段から使えているか。
そうしたことを確認する意味はあると思っています。
私は、
義歯を単なる装置として見ているわけではありません。
その方が、
どんなものを食べているのか。
これからも食べ続けられそうか。
そんなことを考えながら、
義歯を見ています。
手術を受ける患者さんの多くは、
大きな問題なく退院されます。
それは、とても良いことです。
でも、
食べることに不安を抱えている方もいます。
だから私は、
入院中だけでなく、
退院後の食事も少し想像しながら、
手術前の義歯を見ています。

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