「むせていません。」
診察をしていると、
患者さん本人やご家族から、
そう教えていただくことがあります。
もちろん、
むせていないことは大切な情報です。
食事中に頻繁にむせるなら、
飲み込み方に何か変化が起きているかもしれません。
でも、
歯科としては、
むせているかどうかだけでは、
分からないことがあります。
食事に時間がかかるようになった。
食後に疲れた様子がある。
食事中に何度もお茶を飲む。
痰が増えた。
好きだったものを食べなくなった。
こうした変化があっても、
本人は、
「むせていません」
と話されることがあります。
もちろん、
本当に問題がないこともあります。
でも、
何か変化が起きていることもあります。
私は、
「むせていません」
という言葉を聞くと、
少し安心します。
でも、
そこで話を終わりにはしません。
食事に時間はかかっていませんか。
以前と比べて、
食べるものは変わっていませんか。
食後に疲れたりしていませんか。
そんなことを、
ひとつずつ聞いていきます。
食べることは、
むせる、
むせない、
だけではありません。
何を食べているのか。
どれくらい食べているのか。
どんなふうに食べているのか。
そして、
以前と比べて変わったことはないのか。
私は、
そうした変化を、
できるだけ見逃さないようにしたいと思っています。
「むせていないので大丈夫です」
もちろん、
本当に大丈夫なこともたくさんあります。
でも、
もし食べ方が変わってきているなら、
その理由を少し考えてみてもよいのかもしれません。
私はそんなことを考えながら、
患者さんの話を聞いています。

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