「最近、食べなくなったんです。」
診察をしていると、
家族からそんな話を聞くことがあります。
以前は普通に食べていた。
好き嫌いも少なかった。
でも、
最近は食事量が減った。
好きだったものを食べなくなった。
食事に時間がかかるようになった。
そんな変化を心配して受診されます。
もちろん、
病気が隠れていることもあります。
認知症の影響かもしれません。
年齢による変化かもしれません。
薬の影響かもしれません。
でも、
歯科として気になることもあります。
入れ歯が合っていない。
歯が少なくなっている。
口の中が乾いている。
口の中に痛いところがある。
噛みにくい。
飲み込みにくい。
こうした変化があると、
食事は少しずつ変わっていきます。
肉を食べなくなる。
野菜を残すようになる。
柔らかいものばかり選ぶようになる。
食事量が減る。
でも、
こうした変化は、
本人も気付いていないことがあります。
少し食べにくい。
だから別のものを食べる。
少し痛い。
だから避ける。
少し時間がかかる。
でも食べられている。
その積み重ねの結果として、
家族が、
「最近は食べなくなった」
と感じることがあります。
私は、
この言葉を聞くと、
「いつ頃からですか?」
と聞くようにしています。
昨日からなのか。
半年前からなのか。
好きだったものを食べなくなったのはいつ頃か。
食事量はどれくらい変わったのか。
そうやって話を聞いていくと、
食べることの変化が見えてくることがあります。
「最近は食べなくなった」
という言葉の背景には、
いろいろな理由があります。
だから、
年齢のせい。
認知症のせい。
そう決めつける前に、
口の中に何か変化はないだろうか。
そんな視点も、
持っていてよいのではないかと思っています。

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