医療では、治療の結果をさまざまな数字で評価します。
検査値。
体重。
筋力。
歩行距離。
口がどれくらい開くか。
飲み込む機能がどの程度あるか。
数字で測ることで、治療前後の変化を比較できます。
経過を記録として残すこともできます。
一方で、数字の変化と、患者さんの生活の変化は同じではありません。
同じだけ機能が改善しても、その意味は人によって違います。
ある人にとっては、それまでできなかったことができるようになる大きな変化かもしれません。
別の人にとっては、困っていることがまだ残っているかもしれません。
数字の変化が小さくても、
「一人でできるようになった」
「以前のように出かけられるようになった」
「食べたかったものが食べられるようになった」
「人と話すことへの負担が減った」
という変化につながることがあります。
反対に、検査上は改善していても、本人が困っていることが残ることもあります。
だから私は、
その変化によって、何ができるようになったのか
を知りたいと思っています。
数字はどう変わったのか。
本人はどう感じているのか。
実際に何ができるようになったのか。
まだ何に困っているのか。
それぞれを見ることで、
「この治療は、この人にとって何を変えたのか」
が見えてきます。
治療の目的は、数字を良くすることそのものではありません。
その先にある生活を、よりよくすることです。
数字は、その変化を知るための大切な手がかりです。

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