「すきま歯科」という名前には、少し昔からの由来があります。
以前の職場では、自分たちの仕事を「すきま産業」と、少し自虐的に表現することがありました。
けれど、私はその「すきま」に、むしろ面白さを感じていました。
歯科には、補綴、保存、口腔外科、矯正、小児歯科など、それぞれの専門領域があります。
一方で、患者さんが実際に抱える問題は、そうした専門領域の境界できれいに分かれているわけではありません。
手術は終わったけれど、食べにくい。
義歯は入っているけれど、うまく使えない。
病気そのものの治療は進んでいるけれど、話すことや食べることに困っている。
歯科が関わる意味はある。
けれど、「では誰が担当するのか」となると、はっきりしない。
そんな場所があります。
医科と歯科の間にもあります。
病院と在宅の間にもあります。
治療と、その後の生活の間にもあります。
歯科の中でも、専門領域と専門領域の間にもあります。
私は、そうした「すきま」に関わる仕事に魅力を感じてきました。
誰も担当していないから、重要ではないわけではありません。
必要なのに十分に拾われていない問題があるのなら、そこに歯科ができることはないかと考える。
その「すきま」を埋めることに、私はむしろ大きな意味があると思っています。
このブログも同じです。
歯科の教科書にそのまま載っている話だけではなく、医科と歯科のすきま、病院と在宅のすきま、治療と生活のすきま、診療科と診療科のすきまにあることを書いていきたい。
そんな意味を込めて、「すきま歯科」と名づけました。
すきまだから、小さい問題なのではありません。
その人にとって困っていることなら、そこには考える価値があります。
このブログでは、そんな「すきま」を一つずつ見ていきます。

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